1章 地獄創作者の日常

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ここはとある私立の高等学校。 そこそこ頭のいい私立高校で、誠実そうな学生が通う評判の良い中学校である。 そんな誠実さ溢れる学校には似合わない生徒が一人いた。 黒い手袋をしていて、 黒い髪の毛の中に、赤いメッシュが入っている 女子学生。 少しでも真面目さを出そうとしているのか、眼鏡をかけていた。 「三弥(みや)さん!」 そんな彼女の名字を呼びながら近寄ってくる女子二人と男子三人は三弥の席の前に立って 「マジックやってよ!」 と笑顔で言った。 三弥と呼ばれた女子学生は顔を上げ、男女五人組を見た。 「面倒なんだけど…」 と誰にも聞こえないほど小さな声で呟いてから
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