当てつけるように。

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首の脈がドクドクと振動して、首からはゴリゴリと変な音がたち、視界が真っ白に歪んでいく。 息を吸おうと吸えば、枯れた咳がでる。 い、息が……出来ない。 馬乗りにされた身体は、硬直する。 「あんなに、透に愛されて……なのに、君は……憎い、君が、憎いっ!」 霞む視界の中、頬にパタパタと頬に暖かい何かが伝う。 「っ、はぁ……ぐっ……」 なんとか、手を伸ばして……泣いている彼の頬に触れる。 すると、いきなりトキ君の力が弱まった。 すると、今までそこでせき止められていた血液が流れだし、酸素が入ってきた。 「っはぁっ!げほ、ゲホっ」 勢いよく吸い過ぎたのか、酸素が足りなかったからかクラクラとして、立ち上がる事も出来なかった。
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