第1章

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「真下のお兄さん、そこどいてぇぇぇぇぇ!」 魔女は災いを運んでくると、何かの本に書かれてた様な気がする 頭上から叫び声が聞こえ、上を見上げた時そんな事をふと思った 何故なら、俺の真上から落ちてくる女が、とんがり帽子を被った黒ローブ姿の魔女だったからだ どいてとか言われても、高さ10m近くある民家の屋根から、まっ逆さまに落ちてくる魔女が地面に叩き付けられ、ミートソースと化すのを黙って見ていられるだろうか 否 俺は身体強化魔法を発動させて、落ちてくる魔女をお姫様抱っこの形で見事にキャッチ ここまでなら、この後の展開によっては甘い夜も期待出来ただろう しかし、現実はとても厳しかった 「有り難う、お兄さん♪ ついでだから、そのまま走って!!」 何故と思うより先に、魔女の気迫に気圧されて走り出す俺 暫くすると、「待てぇ!」と言う怒号と共に、大勢の走る足音が聞こえてきた 走りながら、後ろを振り向くと驚愕したよ俺 大勢の王宮兵士達が追いかけてくるではないか! 「ちょ!これどういう事!?」 「良いから逃げて! 捕まったら、問答無用で死刑確実だよ!!」 何してくれやがった魔女ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 捕縛後、問答無用で死刑と言うなら、この魔女は世界三大禁忌を犯したに違いあるまいと、容易く想像出来たのだが 1つは、死者の蘇生 1つは、無断で遺跡探索でのギミックハント 1つは、Sランク以上のギミック所持 一番可能性が高いのは、無断でギミックハントだろう 「あんた!もしかして、非合のギミックハンター!?」 俺が息絶え絶えにそう質問すると、この魔女はペロッと舌を出してきやがりましたよ!! 「待てゴルァァァァァァァァァ!!」 ドドドズッ!! 「うおおおおおおおおおおおお!?」 後ろから、槍やら矢やらが俺の背中を掠めて地面に刺さり、火や氷、雷の初級魔法が俺の頬を掠めて飛んでいく 王宮兵士達は、俺達を殺る気満々みたいですわ .
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