第1章

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「うぅぅぅわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 後ろから、流星群の如く襲い掛かる飛び道具や初級魔法を掻い潜り、俺達の逃走劇は続く つっても、走ってるのは俺だけですがね! 魔女は俺の腕の上で「もっと早く!」とか「頑張れ!」とか喚いてる 投げてぇ…、後ろの兵士達に魔女投げてぇ… 待てよ? 俺はまだ兵士達に顔が知れてない筈 今、魔女を放り投げれば「あの後ろ姿はローゼンだろ!止まれローゼン!!」……後ろ姿でバレるとか何事? 後ろを確認すると、先頭を走る兵士に見覚えがあった よく酒場で一緒に飲んでた飲み仲間のガランじゃねぇか! 「やっぱりローゼンか! お前、自分がやってる事の重大性解ってんのか!?」 「聞け、ガラン! これには色々訳があってな!」 「取り敢えず止まれローゼン!!」 「お前等がまず追いかけるの止めろぉぉぉぉぉぉ!!」 ただでさえ、スキンヘッドで厳つい顔した図体のでかい奴だけでも恐怖なのに、そいつを筆頭に大勢の兵士達に追いかけられてみろ!! それでも奴等は止まらない 当然、俺も止まらない くそ、これでは埒が明かん 「風よ、我を包み加護を与えよ 風属性中級補助魔法『シルフウイング』!!」 詠唱を終えると、俺の全身が風に包まれる 今の俺なら、空をも飛べる! 「え、詠唱!? て事はギミックじゃなくて魔法!?」 腕の中の魔女が騒ぐ 良いから、大人しくしててくれ 集中が乱れる 俺は3階建ての建物の非常階段を駆け登り、屋上へと向かう それに続くガラン達 屋上に着いた俺は迷わず、屋上から飛び降りた そのまま飛び降りた恰好で、空を飛ぶ俺を見たガラン達は驚く 「か…風属性魔法か! やってくれるぜ、ローゼン!!」 苦虫でも噛み潰した様な顔で悔しがるガランを後目に、俺は魔女を抱えたまま風に任せて空を流れるのだった .
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