竹田広之

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そしてわからないまま 俺は母方の祖父母に 預けられていた 俺は両親がいないことを 不思議に思っていたが、 いつか帰って来ると思い 特に気にしていなかった それに俺はいつしか 両親の顔さえ忘れた 父方の祖父母が両親の 写真を全て処分していたからだ その祖父母は俺の所にも来た そして俺の頭を撫でながら 「わしらの息子にならんか?」 後継ぎが欲しかったらしく、 養子縁組を申し出てきた でも、 俺はその時その祖父に 何か言いようのない 恐怖を感じた 母方の祖父母が庇ってくれて 何とかその場は免れた それから数年後
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