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「おい! 聞いてるのか!!一ノ瀬!!! なにを外をぼーっと見ている。 明後日には三学期の終業式だぞ。 お前は来年から二年になるのだ。 二年のうちからな、 そんなんでいるとな、 行きたい理系の大学にも行けなくなるぞ。 ………おい、一ノ瀬! 聞いているのか!!!」 「…………あ、すいません。なにも聞いてませんでした。何かおっしゃいましたか?川口先生?」 どこかでクスクス笑う声が聞こえる。 「しばらく君は立ってなさい!!」 別にぼーっとしていたわけではない。 俺には俺なりに考えていたのだ。 ただ………目線が空を見つめていただけだ。 数学など別にやらなくてもわかる。 理由はよくわからない。 現に数学で90点以下は取ったことがない。 だが毎日生き甲斐を感じない。 俺はこのぱっとしない日々から解放されないのか。
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