サタム

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「ここがフィシリア…」 特別な魔方陣により魔界からフィシリアに来たクロマは人影が見当たらない草原に来ていた。 魔界では見たことも感じたこともない草花や風の心地好さに感動してたが右も左も分からない世界で時間を費やすのは惜しいと思いとりあえず町を探すことにした。 「どっちに進もうか…ん、なんだろあの赤っぽい塔…」 クロマは『朱雀』を見つけ、とりあえずそこに向かって歩くことにした。 時々綺麗な花を見つけては立ち止まり数分観察しているためなかなか町に辿り着きそうにない。 「お腹空いたなぁ、……ん、魔獣の気配」 クロマは魔獣の気配を感じとると今まで歩いていた方向と違う向きに歩き始めた。 少し歩くとそこには黒色の毛並みで赤い目を持つ巨大な鳥が横たわっていた。 クロマはその姿を見付けると目を見開き魔獣の所まで走って向かった。 「大丈夫か? 羽を怪我してる。」 「――っ! ラデュース様…!」
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