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――『魔界』ここの空はいつも赤黒い薄暗く雲というものが存在しない。
地面は割れており、草花は生えておらず荒らく削られた岩だけか所々あるだけだ。
たまに黒い毛並みと赤い目を特徴とする魔獣と呼ばれる生き物が動き回っていたり縄張り争いをしている光景を見ることが出来る
そんな殺風景な地をひたすら真っ直ぐ歩くフードを被ったものがいる。
フードを被ったものが通る前には普段はあまり姿を見せない魔獣が綺麗に並び膝まずいている。
フードを被ったものはその魔獣たちの行動を一度立ち止まって見渡すと
｢皆顔をあげてよ。僕がそういうの嫌いって知ってるだろ？｣
まだ幼さの残る透き通った心地よい声がこの荒れた地に響くと一番フードを被ったものの近くにいた魔獣が顔をゆっくりあげた。
｢はっ。 しかしクロマ･ラデュース様、やはり立場上…｣
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