魔界

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『魔城』 ここは魔界での唯一の建物と言える場所で外観は黒一色で統一されており、西洋の造りの城だ。 ここに入ることを許されるのはフードを着用している者か魔王に呼ばれた者だけである。 巨大な魔城の扉の前には先程まで荒れ地を歩いていたクロマが立っていた。 やはりフードは邪魔だったのかフードが外されていた。 「クロマだ。開けろ」 クロマが扉に向かって言うと扉は誰もいないにも関わらず勝手に開きクロマが城に入るのを待っていた。 クロマが扉を通りすぎると自動で扉は閉まり、何事もなかったかのように元通りとなった。 場内に入ると床は真っ赤な絨毯が敷かれており、壁には歴代の魔王の肖像画が掛けられている。 天井にはシャンデリアが幾つも垂れ下がって無駄に豪華な造りとなっている。 時々黒い尾と羽をもつ極めて人間に近い存在である魔族とすれ違うがそのたびにクロマは魔族に挨拶されていた。 数分くらい廊下を歩き続けると突き当たりに金色の取手の巨大な扉の部屋があった。 ここが魔界全体を支配する魔王のいる部屋である。
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