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「人間界に滞在してやつらの行動について調べてこい」
「…え、人間界って言うとフィシリア? なんで?」
人間が住む世界をフィシリアと言い、そこは魔界とは真逆で緑も多く水もあり資源も数えきれないほど存在している。
魔族はそのような自分たちとは全く違うフィシリアを欲しており今までも何回も戦争を仕掛けているが失敗に終わっている。
「…戦争を起こすのか?」
・・
「まだ起こさんよ。 最近フィシリアにいる魔獣の数が減ってきてるからその原因について調べてきてほしい」
「魔王様の命令じゃあ背けないか。 まあ僕以外の奴らはこの仕事出来ないよね。
だって唯一僕だけが魔界に住む人間だから」
クロマはそう言うと怪しい笑みを浮かべて準備してくると言って部屋から出ていった。
クロマが部屋から出ていくのを見届けたヴィルはククッと笑いを溢した。
「クロマ…お前は一生俺の息子だ。 サクマ!クーリュナルク!」
ヴィルは自分の両隣に立っている二人の魔族の名前を呼んだ。
二人は直ぐにヴィルの前に膝まずいた。
「お前ら二人も人間に化けてクロマを見張っていろ。少しでも異変が起きたら直ぐに連れてこい」
「「御意」」
一部の魔族は外見だけ人間の姿に化けることができる。サクマとクーリュナルクは一部ずつ丁寧に人間の形へと変えていった。
「完璧!」
先に姿を変えたのはサクマで茶髪の目の大きい活発な男の子に化けた。クーリュナルクは長身の黒髪の清楚な男性に化けた。
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