二人の距離のプロローグ

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二人の距離のプロローグ

 小説家になりたい。  そう思うようになったのは、中学生の後半だった。  元々、本は嫌いじゃなかった。小学生の時に国語の授業でやった内容が気に入って、それから、自分でも本を読むようにもなった。  でも、部活動は運動部をやってたし、友達も結構居たから、そんなに沢山読んだわけではない。むしろ、本当に本が好きな人からしてみれば「貴様は所詮もぐりでしかない」と言われても無理からぬ程度だろう。  部活も嫌いじゃなかったし、友達と遊ぶのも好きだ。そしてなにより、俺には好きな人が居るのだ。 だから、現実のほうも大事にしたい。  ちょっと前までは、そう思ってた。
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