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こんな目さえ無ければ…っ!容姿だってそれなりだし、勉強だってそれなりに出来るし、故にそれなりのレベルの女の子とほのぼのとしたお付き合いが出来る筈なのにっ!
「なげくことはない、あにさま」
いきなり自分に掛けられる声。見ると自分の上に乗っかっている一人の少女。
涼やかな切れ長の目、その右目の下には泣き黒子がある。凜とした顔立ちで自分より2歳年下なのに母親に似たのか発育が良く、成熟した女性と比べても遜色無い程豊満な肢体をしている。異色なのはヘアスタイル。何と丸坊主である。
彼女曰く「いつでもあにさまのこのみのかみがたにしたいから」
つまり智が金髪ショートが好きならそのウィッグをつける。黒髪ツインテならソレ。そこまで徹底している。
彼女の名は亜梨珠(ありす)。智の妹である。そして説明する必要も無いだろう極度のブラコンである。付け加えるならヤンデレも入っている。
そんな彼女が日課を果たす為に兄の上に乗っかっていた。
「…退けよ、俺、起きるから」
「おはようのキスをもらうまではどかない。あにさまにはわれというあいらしいおんながいるのに、なにゆえにもてないのをなげかれるのか?われはあにさまのためならこのみをおしまない。キスも、キスいじょうのことも、あにさまがのぞまれるならなんだってしてあげる」
そう言って顔を近付けてくる亜梨珠。それを手で制して智は言った。
「ざけんな、馬鹿。妹とそんな関係になんかなりたくねーよ。これが幼馴染みとかだったらウェルカムなんだがな…」
「いひっ。ざんねんながらこのよはあにさまがおもうようにはまわらぬ。おさななじみとのあまいこいなんてマンガでのできごと」
「妹とのこういう事だって漫画での出来事だろうがよ!」
吠える智にチッチッと指を横に振りながら、亜梨珠は言う。
「マンガではない。エロゲーでもない。あにさま、これはげんじつのできごと。あにさまはだまってわれにみをまかせればよい。さあ…ふたりできんだんのほのおにみをこがしましょうぞ」
目を瞑って唇を近付ける亜梨珠。パジャマの胸元から豊満な胸の谷間が覗く。これが妹じゃなければこっちから押し倒しているが…っ!
「生憎、妹とそんな関係になりたかねーんだよっ!」
そう言って亜梨珠を押し返す智。
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