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ルシーダ「ル…ルシーダ・シュナイダーだ。よ…よろしくな…。」
ルシーダは握手しようとしたが例の如く手が出ない様だ。
ケイト「あなたが…あの時の…。」
クロト「どの時でゲスか?」
クロトは固まるルシーダを放置して握手を求めた姿勢のままケイトの方を向いた。
ケイト「あの時はお世話になりました。ケイト・アルベルトです。これからよろしくお願いします。」
ケイトはクロトの右手を取り握手した。
クロト「なんの事かサッパリでゲスが、握手に応えられたのは初めてでゲス。」
ヒューイ、サン、ルシーダは唖然である。ケイトはクロトの手を放すとヒューイに向かい話しかけた。
ケイト「クロトって犬の名前だと思ってた。[神童]が連れて歩く犬を[出来損ない]って噂してたんじゃなかったんだね?」
ヒューイ「ふふふ。僕の唯一の親友だよ。握手できた記念に君達も仲良くなっちゃいなよ。」
クロト「おいおいヒューイ。たかが握手でそんな事強要するなよ。」
ヒューイ「君はケイト程の美人を前にパンツの挨拶がないじゃないか。何か思う所があるんだろう?」
ケイト「パンツの挨拶?」
クロト「一体君は何を言ってるんだ?ゲスゲス言って忘れてただけじゃないか!ケイトチャン!今日のパンツは何色だい?」
またも場が凍りつく。
ヒューイ「ふふふ。」
ケイトは顔を真っ赤にさせクロトの頬に拳をめり込ませた。
クロト「テレた君はまさしく僕の天使だね。」
平然としてるクロトの頬に再びケイトの拳がめり込む。
フンッと踵を返し歩き去ろうとするケイトをヒューイが呼び止めた。
ヒューイ「ケイト!今日できた僕の友達の紹介がまだだよ?サン・グレイ仲良くしてあげてね?」
ケイトはチラッとサンに目をやり「よろしく」と一言残し去ってしまった。
ルシーダ「クロト…お前の事ぁ好きになれそうにねぇが…勇気はあんな。」
ルシーダもそう言い残してケイトを追って行った。
アナウンス「え~入学式を始めます。並ばなくても結構なので前の方に集まって下さい」
ヒューイ「クロト、サン、行こうか。」
3人は移動した。
舞台の上にはマイクが置いてあり誰かが長ったらしく話をするのが容易に想像できる。
アナウンス「では学園長のお話ですので静かに聞いて下さい。」
アナウンスがそう言うと生徒達は静かに舞台に目をやっている。舞台の袖からテクテクと緑の髪を揺らし身長140cm程で12か3才位に見える女の子が歩いてきてマイクの前で生徒の方を向いた。マイクが高すぎて届かない様で必死に調整して低くしていた。
学園長「私が~学園長のナビアだよ~。皆さんこんにちは~。」
生徒達はなぜかほのぼのしてしまっている。
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