サンクレア魔法学校…入学式

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ヒューイ「サンに変な事を吹き込むなよ。」 貴族は軍と提携して優秀な人材を軍に輩出する代わりに地位や財産を国から受け取る。 そのため貴族は魔法に優れた人間を育てる。これがサンクレアの軍のシステムの1つである。 しかしその反面魔法の才能に恵まれない人は差別される風習が強い。それには王も心を痛めているが軍を成り立たせるシステムが原因のため対応できないでいるのが現状である。 3人が丸くなりくだらない話をしているとクロトの後ろから二人の男女が近付いてきた。ヒューイは二人に目を向ける。 男は黒髪で身長180cm位で無駄のない筋肉をしてそうな体型だ。いわゆるイケメンである。 女は世にも珍しい銀髪で身長175cm位のモデルの様な体型をしている。びっくりする様な美人である。 二人は訓練場の大半の人の視線を浴びていた。 ?「ヒューイ君…久しぶり。この日を楽しみにしてたよ?」 クロトはビクッとし、サンは固まっている。ヒューイは柔らかい笑顔で答える ヒューイ「やあケイト久しぶり。そっちはもしかしてルシーダ?」 ルシーダ「お…おう。その…昔は世話になったな。」 ヒューイ「気にしないで!同じクラスになったらよろしくね?でも君達は優秀だからS組だね。」 ルシーダ「いや…ケイトが権力に物を言わせて事前にクラス割を手に入れてよ。ヒューイと同じクラスになりてぇって直談判したんだわ。俺もケイトについて同じクラスだぜ?」 ヒューイ「へ…へ~。そうなんだ…。」 ヒューイは苦笑いである。 シュナイダーとアルベルトはそれぞれ闇と聖の貴族である。 S組は中等部の成績が優秀な生徒を集めたクラスであり、普通ならS組行きの二人だが権力に物を言わせてヒューイと同じクラスになろうと画策した様だ。 ケイト「S組でもどこでも[神童]のヒューイがいないなら意味ないじゃない!」 ヒューイ「僕も君らの噂は聞いてるよ?[天使と悪魔]でしょ?」 ケイト「それよりヒューイ!約束…覚えてる?」 ヒューイはチラッとクロトを見た。 ヒューイ「覚えてるよ。僕の親友のクロトだよ。仲良くしてあげてね?」 ルシーダ「クロト?[出来損ない]か?」 ケイトは胡座をかいたクロトの後ろ姿を見つめている。クロトはゆっくり立ち上がるとケイトとルシーダの方に振り返った。 クロト「そうでゲス。アタスが[出来損ない]のクロトでゲス。よろしくおねゲスしますでゲス。」 場は凍り付いた。 クロトはルシーダの方を向き右手を差し出す。握手を求めているのである。
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