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「なんでまた…」
「新しい食器を海外から取り寄せ
てね…あと、近くの店でぐい飲み
も買ったんだ。
あ、これは夕飯にね。」
「ぐい飲み?」
首を傾げた颯人先生にキルリは笑
顔で答えた。
「お酒を飲むための食器…
と言えばいいかな…
近いうちにグラスもほしいけど」
「キルリ…また給料を食器やグラ
スに費やすつもりか?」
作業が終わったらしいハブメルが
ため息混じりにキルリに聞けばキ
ルリは乾いた笑いをした。
そのつもりだったらしい。
それにハブメルは呆れた顔をする
とキルリに言った。
「俺らに支障がないように頼むぜ
?いつだかみたいに騒がれても困
るけどよ」
「ごめんなさい
けど欲しくて…」
「何が…だ」
颯人先生がキルリに聞けば、キル
リは満面な笑みを向けて答えた。
「海外の王室茶器、一式」
「桁が違ってね
困ったんだよねー。
キルリが半年貯金して買ってさ…
しかも、後で見てもらったら本物
でね。ケンカになったよね…コレ
使うの?って」
売れば高値なためのケンカだ。
「結局、学園長に売ってショーケ
ースに飾ってもらってるけどな。
展示室に」
「あれか」
展示室に点々と置かれたショーケ
ースの中身は大半が食器なのはキ
ルリのせいだろうと颯人先生は確
信した。
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