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風呂後。
颯人先生が足をキルリの部屋に運
べば中は真っ暗だった。
と、窓側でキルリが颯人先生を手
招きしていた。
颯人先生が行けばキルリは落ち着
いた色の着物に身を包み、ある一
点を見ていた。
「もう少しですかね…」
「は?」
「あ、見えました…」
キルリが指さした先にあったのは
空いっぱいの星。
まるで落ちてくるんじゃないかと
位に数えきれない星が夜空に突如
現れたのだ。
「この時期は学園長が早くに就寝
なさり、学園寮も早くに消灯する
ので余分な光源がないから見える
んですよ」
そう言い颯人先生にキルリはお猪
口[ちょこ]を渡し、酒を徳利[と
っくり]から注いだ。
そして、自らの側にあったお猪口
を持つと笑顔で颯人先生に訪ねた
。
「こんな楽しみは嫌いですか?」
「嫌い…じゃないな」
颯人先生の言葉にキルリは満面な
笑顔でお猪口に口を付け、颯人先
生も飲むのだった。
星を眺めながらの酒は贅沢かもと
キルリは少し感じながら颯人先生
との晩酌を楽しんだのだった。
FIN
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