はじまり

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「またピースと鍛練ですか? 颯人先生」 「ルーチェ先生か」 ハブメルが捕獲した颯人先生。 彼は今、キルリがハブメルに作ら せた漆黒のリングを指にしている 。それは三面鏡たる組織に溺れる 契約のリングだ。 外せば3人の誰かに殺されはしな くとも、監禁は逃れられない末路 がある。それは既に3人が普通と ずれた場所に居るからだが、まだ キルリはまともだ。 ただ、3人の中と言うだけで世間 からみたらだいぶズレている。 「ああ、アイツは強いから」 「なるほど あ、その前に此方が出来ましたの で」 キルリが颯人先生に渡したものは 銀の鎖のブレスレットだった。 それを颯人先生は不思議そうに受 け取り、つけた。 「ハブメルに作らせた 制御装置です。 以前の制御装置がどの位か分かり ませんが、ハブメルと同じ位の物 にしました。 キツイ又は緩くないですか?」 「平気だ」 技術者揃い踏みの中、特にハブメ ルとピースは何でも作れると言っ ても良い。 「どうしますか? ブレスレット…鎖の調整曖昧です が」 「はぁ?」 曖昧で完成度が高すぎて颯人先生 は間抜けな声を出した。 そこへキルリは爆弾を投下した。 「しかもそれ、レプリカです」 「早く言え!!」 完成度の高いレプリカに怒る颯人 先生に笑うキルリ。 完璧にからかっている。 年齢的にもうすぐ4桁。 年下だろうをからかうのは解るが ほどほどにしてあげてほしいもの だ。
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