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そんな情緒不安定な副担任とは正反対に、委員長としてのプライドがそうさせるのか、港の精神は未だ冷静を保っていた。
「先生、大人のそのような姿を見ると皆不安になります。イライラするのは分かりますが、どうか落ち着いて……」
すると淀谷はハンドマイクを投げ捨て、ギロッと港を睨み付ける。
「なんだ港、私に意見するのか? いち生徒のお前が、教師の私に説教か?」
「いえ、そんなつもりは……」
「だったらお前、なんとかしてみろよ。成績優秀なんだろ? クラスのリーダーなんだろお!?」
普段見ない淀谷の豹変ぶりに、思わずたじろぐ港。
「先生!」
その直後、小泉が淀谷を呼んだ。
「…………私が、助けを呼んで来ます」
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