闇に浮かぶ箱

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「よし、行ってこい小泉」 「はい……」 「待つんだ香! 僕が行く!」  港が小泉のところに向かおうとするも、その前に淀谷の足が遮断機のように行く手を阻んだ。 「なんだ港、お前は小泉を信用してないのか? かわいそうだなあ小泉。お前、副委員長の癖に港に役不足に思われてるぞ?」 「ち、違います先生、僕はただ--」 「猛」  幼なじみの名を呼ぶと、いつもの和らいだ表情に戻り、小泉は言った。 「私なら大丈夫よ。猛は先生やみんなをお願い」 「香……」 「じゃあ……行ってきます」  笑顔で別れを告げると再び決意を帯びた表情に変わり、小泉はステップの上に立った。
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