796人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし、行ってこい小泉」
「はい……」
「待つんだ香! 僕が行く!」
港が小泉のところに向かおうとするも、その前に淀谷の足が遮断機のように行く手を阻んだ。
「なんだ港、お前は小泉を信用してないのか? かわいそうだなあ小泉。お前、副委員長の癖に港に役不足に思われてるぞ?」
「ち、違います先生、僕はただ--」
「猛」
幼なじみの名を呼ぶと、いつもの和らいだ表情に戻り、小泉は言った。
「私なら大丈夫よ。猛は先生やみんなをお願い」
「香……」
「じゃあ……行ってきます」
笑顔で別れを告げると再び決意を帯びた表情に変わり、小泉はステップの上に立った。
最初のコメントを投稿しよう!