闇に浮かぶ箱

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「あ、あれが、地獄かよ……」 「まさか……まさか僕らも……」 『先程も言ったが、それはお前達次第』  次の瞬間、 「あっ!?」  辺りの暗闇が晴れると同時に、空に茜色が現れた。  その色は下にいけばいく程薄れていき、バスより下の背景色は完全に白くなっている。  そして前方を見ると、石でできた吊橋のような細長い道が一直線に伸びていた。 「どうなってんだ……」 「ここ、トンネルの中じゃなかったのかよ!?」  その殺風景な景色に、ここが今まで自分達がいた世界とは違う世界なのだと、生徒達は認めざるを得なかった。 『お前達に、試練を与える』 「試練だって?」 『この道の先にあるのは、現世に通じる扉、そして……地獄に通じる扉。二つの扉が、お前達を待つ』 -現世行き-  小泉 香 -地獄逝き-  淀谷 勝  残り、33名
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