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「なに!? 今の本当か川合!?」
「浜崎のせいでこうなったの!?」
自分の発言により浜崎が責められると思った川合は、慌ててフォローしだす。
「あ、でも……そ、それだったら歩ひとりがここに来なきゃいけないハズだし、何もしてない私達が巻き込まれる筋合いは無いし、やっぱ違うのかなー、なんて……」
「連帯責任ってやつじゃないの? だとしたら浜崎……許さないっ……!」
「お前以外に考えられねえよ! いつも問題ばかり起こしやがって!」
行き場の無い生徒達の怒りの矛先が、浜崎に集まるのも無理はなかった。
浜崎という男子生徒は、教室でキャッチボールをして窓ガラスを割ったり、集合時間に遅刻したりと、沢村とはまた違ったタイプのクラスの問題児であった。
「待つんだみんな!」
そんな浜崎を庇ったのは、やはり委員長の港。
「まだそうと決まったわけじゃないんだ、浜崎君を責めないでやってくれ。それにもしそれが本当なら、先生じゃなく真っ先に浜崎君が地獄に堕ちているハズだ」
説得力のある港の言葉に黙り込む一同。
「なあ、それより石投げっから見てろよみんな」
「アンタ……少しは悪気を感じなさいよ」
川合を無視し、窓から石を投げてみる浜崎。
石はその大きさをどんどん小さくし、最後には見えなくなった。
「うわ……。やっぱ高いんだ、ここ」
石の行方を窓から見ていた生徒達は、一気に張り詰めた表情に変わった。
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