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「あ、そう言えば今日は英単語の小テストがあるのよね。範囲を一通り見ておこうかな」
学校まであと数分と言う所で、芹は英単語のテキストを取り出すとパラパラとめくっていく。
ガンッ
「――ッ?!な、何、今の」
ガンッ
「痛い」
突然の事に足を止めると頭痛を感じ始める。収まったかと思えば突然頭突きされたような鈍い痛みが走る。
「風邪でも引いたのかな。もー、やんなっちゃう。もうすぐテスト期間なのに」
教室についたら常備薬の痛み止を飲もうと決め、テキストをしまうと学校に向かって駆け出す。
芹が立ち止まった所には持ち主のない陰。
「固いな」
「痛いな」
「結界破れない」
「どうする。どうする?」
「僕(シモベ)、連れてくる」
「僕、結界、破れる?」
「1人、無理」
「あれ未完成」
「でも、沢山必要」
「連れてくる。壊す」
「欲しい。欲しい」
「蜜乃餌、欲しい!」
――怪しい陰は着実に彼女に迫っていた。
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