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少女は皮袋に入っているウサギさんを愛しそうに抱き、撫でながら、帰り道を歩いていました。
ふと見ると、向うの草むらがガサゴソと大きくゆれているではありませんか。
(熊さんかしら?)
少女はアップルちゃんを片手で軽くにぎり、姿勢を少し落として、その草むらを見据えました。
ところが、その草むらから出てきたのは、同じくらいの年の男の子でした。
少々あっけにとられた少女とアップルちゃんでしたが、初めてのお客さんです、少女は手を叩いて喜びました。
「わたし、お父さんとお母さん以外の人と会うの、初めてなの。とってもうれしいわ。ね、ねね、お友達に、なりましょう?」
心細そうな瞳をした少年は、こくりとうなずきました。
家に少年を招待して、良く話を聞いてみると、少年はこの山の下にある街の人で、山で遊んでいるうち、迷ってしまったというのです。
少女と少年はすぐに仲良くなりました。
森で出会ったウサギさんを少女が少年に振る舞いました。
少年はおいしい、おいしいといって食べました。
少女は、うれしそうに少年を見つめます。
目が合うと少女はニッコリと微笑んであげました。
すると、少年もドキマギしながら、ニッコリと笑うのです。
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