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「子供の骨って柔らかいね、アップルちゃん」
その声を聞いて、少年は我に返りました。叫びながらがむしゃらにドアノブへ走りました。
ドアノブと少年の間に滑りこむように少女が低姿勢で走りこみ、少年の胴を横一文字にサッと払いました。
それでも、少年はドアノブを掴むと外へ逃げ出しました。南へ南へ、川へ川へ。
ところが、少年はすぐに何かに引っ張られて転んでしまいました。
すぐに起き上がり、何に引っ張られたのか確認するために、後ろを振り向きました。
ドアノブから自分の腰あたりに何かが伸びていました。少年はかすむ目で自分の腹を見ました。
(はははっ、はらわたが出てらぁ)
はらわたがドアノブに引っかかっていたのです。
少年はなんだかすごく笑いたくなりました。
「はは、は、はは、は」
それは、止まりませんでした。
「あははははは!!!あはははははは!!!」
少年は震えながら立ち上がりました。血がなくなりすぎて、もう視界は真っ暗です。
狂ったように笑っている少年に、狂ったようにうれしそうな少女。そして、アップルちゃん。
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