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「…え?」
「ほらカズ。しりとり。」
「…あ、うん。じゃあ…“酔っ払っちゃったなぁ”?」
…驚いた。章ちゃん顔真剣なんだもん。
クリスとシェアハウスでやったネタだよね。これ。
もー、まだドキドキして…
「ふふ。…愛してるよ、カズ。」
…え?
「…しょ、章ちゃんそれ同じだよー?」
「後に“カズ”ってつけたよ?」
「あ。そっか。…え?」
目の前には顔を赤く染めた章ちゃん。俺は首を傾げる。
しりとりだよね?
「…カズの番だよ。」
「あ。うん…じゃ、“ずるいよ…私があなたを好きなの知ってるくせに”。」
気のせいかな?これじゃまるで…
「に、なら…“い”でもいい?」
「ああ難しい?いーよ。母音使っても。」
「じゃ…“いくらでも言う。カズ、愛してるよ。”」
俺は目を丸くする。
翔ちゃん、それじゃまるで…
「…俺、告白されてるみたい。」
冗談、しりとりだもんね?と章ちゃんに尋ねると、章ちゃんに頭を支えられたと思ったら、次に、唇が重なった。
「好きだよ。」
俺は固まってしまう。
顔が熱くなる感じがした。だって章ちゃん顔真っ赤だし、絶対嘘じゃねーもん。
「…章ちゃん」
「好きだよ。カズ。酔いの力借りないと言えなかったけど。俺ヘタレだし。」
「うん…」
俺の目から涙が零れる。
「でもマジだから、俺。マジでカズが 好きだよ。」
「うん。うん…っ」
次々に零れ落ちる涙を章ちゃんは拭ってくれながら、俺の顔をのぞく。
「カズは?…俺のこと、どう思ってる?」
「章ちゃ…」
好きだよ。もうずっとずっと大好き。かっこいい章ちゃんが。優しい章ちゃんが。大好き。
「…俺もっ!…ひっく、ずっと好きだったのっ」
章ちゃんは優しく綻び、またキスをしてくれた。
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