桜樹楓 ii

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「参ったな」 資料をパラパラと捲りながら僕はそっと呟いた 事件の発生率は限り無く高いのに、発生している場所に共通点は見当たらない 「本当に頑張り屋さんだな。『夜の王子』様は…」 皮肉を言っても始まらない。 僕は疲れたのでそこら辺のベンチにどすんと腰を下ろした 「たっきー!何処から調べる?」 悪化しつつある状況もマシにはならない 木咲木は何故僕に何故ついてきてるんだよ 「そんな顔しないでよ。私はねーくんから頼まれたんだから」 「ねーくんは僕を何だと思ってんだよ」 きっと憎んでるんだろう ねーくん会ったことないけども 桜樹楓ならこういうのだろうか 「確かに貴方は人に嫌われる素質がある」 ひっでぇな 軽く泣けてきたぜ 「きっと僕は誰かに嫌われる素質があるんだろうな」 「確かにたっきーは人に嫌われる才能が有ると思う」 「ははは…ヘコむぜ」 「だってたっきーって周りに一定の壁を作ってるじゃん」 「はぁ…」 僕はフレンドリーに振る舞っているつもりなんだけど 「あっそうだ…東山さんの事件…」 「行く?」 「ああ」 僕はベンチから勢いよく立ち上がった 「木咲木…力貸してくれ…」 「うん。いいよ」 僕達は事件の現場に向かった
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