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「ゆかりヤバイ遅刻だ
「ふぁ!?なに!?」
身体をおこし慌てて起き上がるゆかり
遅刻だというのに慌てたようすもなく
ニッコリ微笑み
「大丈夫走れば間に合うよ」
「はっ、はっ、-----」
家を出て、ここまでほぼ全力で走っている、別に足が遅いわけではない
とわいえいつまでもこんな早く走ってられない。
だがいつも思うことがある
なぜゆかりは平気な顔をして俺の前を走っているのかぁ
トン、トン、トンーーと
階段を三段飛ばしで軽々とかけ上がる
登り終わるとこちらを振り返る
「はやくぅ、とうやくん~」
てを振って急かしてくる。
立ちはだかる階段を前に足を止める。
「とうやくん、運動不足だよ。ちょっと走っただけなのに」
「運動不足ってのは認める……が
ちょっとってゆうのは納得いかない……
こんな走って何で疲れない?」
「全然平気だよ?私」
キョトンとするゆかり。
華奢な身体にそんな体力があるのだ。
いったいどうゆう構造しているのだ
「ゴメンちょっと休憩先にいっていいよ」
「ダメだよ遅刻しちゃう、まだ間に合うから走ろうよ」
「無理ゆうなよ……できるこことできないことがあるんだ…」
「それなら大丈夫だよ?」
「あ?」
「知ってるよ、とうやくんのことちゃんと」
……どうしてこうも買いかぶられているのだろうか。俺の事を信じて疑わない、眩しい笑み、
俺は覚悟を決め、一気にかけ上がる。
「はい、とうやくん」
「ん?」
ゆかりが俺の後ろに回り込み
「走ろ」
トンーー
「おい、ちょっと押すなーーー」
二度目を迎える学園の春
最近、わけもなく胸の高鳴りを感じる。
なにか新しいものを感じてるのか。
「……ここまで走れば大丈夫だね」
「ぜえ、ぜ、ぜえ……」
はしすぎて気持ち悪い
「そうだ 、とうやくん、晩御飯どうするの?」
「晩御飯?」
「ほら、おばさんいないし、冷蔵庫のなかも空っぽだったでしょ。」
「そうだなぁ。帰りに適当に買って帰るけど 、後々考える」
「そっか…」
ゆかりは考え込む
「あのねとうやくん」
なにか、いいかけようとしたとき、
後ろから誰かが走ってくる。
「ゼィ、ゼィ、ゼーーおっ、追いついたぜ」
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