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相変わらず自己評価の低い子供だな、と秋綴は煙草を煙を吐き出しながら思う。
“にしても、不思議なことか”
「なぁ、紫音。もし貴様が一樹と同じような境遇に立った場合、あのように平然としていられるか?」
『――無理』
「即答か」
『――アレは異常。ボクは正常』
「ふふ、そうか。そうだな、アイツは異常だな。――いや、むしろ壊れているのかもな」
仕事机の奥にある大きな窓から射し込む月明かりを背景に、秋綴は進藤の様々なデータが書き綴られた紙に目を通した。
『――壊れてる。一理あるね』
「時間移動、いや転生したと云うべきか。そしてその日の内に己が成すべきことを決め、死んだ筈の知友と再会し、心を壊さずに交流を果たすなんて、最早人間業じゃないぞ。少なくとも私には無理だな」
『――雪江でも無理なのか?』
「生憎と私は天才でもなければ化け物でもない。貴様たちのような人智を超越した存在と違うのさ」
自虐的に笑う。
紫音はボサボサの頭を掻きながら、
『――刻印を人間に植え付けようとする発想する人間も化け物だとボクは思うけど』
「……そう、だな。鬼畜と罵られても仕方無い。未来の私は相当切羽詰まっていたみたいだしな」
『――うん、最低だよ』
同意する紫音を睨んでも、彼は飄々とたこ焼きを口にするだけ。端に着いたソースを舐めとる仕草は子供そのもの。
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