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紙に書かれていたのは設計図。
昨夜寝る前に、進藤が覚えている限りの範囲で精密に描き起こしたものである。
地下からの魔力供給によってエネルギーを補充。限界まで達したことを確認した後、魔法刻印による介入を行い、精密に連続魔法爆撃を繰り返すという決戦兵器に近い。
「これは崩壊しかけたトルコ戦線を押し返した代物です。威力はほぼ戦術核。三六〇度関係なく精密砲撃ができる。魔法刻印が必要になりますがね」
「こんなものを造ってどうするというのだ? これほどの規模だ。魔力補充にも相当な時間と労力がいるだろう。福岡基地のエネルギーは結界発動と基地運営だけで精一杯だぞ」
『――ていうか、魔法刻印の適合者も必要だし』
「それは問題ない。日本に於いては姫様がその適合者だ」
秋綴が息を飲んだ。反射的に何かを言い掛け、グッと我慢し、ゆっくりと冷静な声音で尋ねた。
「……それはもしや、瑞希様のことを言っているのか?」
『――次期源本家の当主か』
「はい。日本でも運用が開始された際、姫がその砲手として魔法刻印により介入しました」
「ふざけるな! 瑞希様は争い事を好まない性格のお方だ! 彼女に限ってそのようなこと――」
勢いよく立ち上がり、机を叩いた秋綴は進藤を睨んだ。怒声が部屋中に轟いた。
防音対策しているから良かったけれど、下手をすれば通路にまで響き渡っていただろう。
殺気を孕んだ視線を受け止める。
「それほど、未来の日本は危機的状況だったんです。各地の大名も戦線に参加されました」
「私が彼女に刻印を植え付けるわけがない!」
「……はい。貴女はそのとき、既に亡くなっていましたから」
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