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好戦的な性格の彼女のこと。今日の内にでも投影機械を用いた模擬戦をけしかける気なのだろう。
秋葉は進藤の強さを知っている。
彼がシルバーファング部隊の新隊長に就任すると聞いたときは、恥じらいもなく食堂で心踊ったものだ。
クレイスは椅子を揺らしながら唇を歪めて、
「出たよ、アーリャ・リュンゲル中尉の強い男漁り。露出狂ってところで引かれなきゃ良いですね」
「おい、馬鹿。上官だぞ!」
「さっきも言ったろ? シルバーファング部隊は強けりゃ良いんだよ。だから存在を許されてるんだし」
クレイスの言うことは癪なことではあるけれど、この部隊に於いては正論でもある。
他国での夜叉との戦争に於ける孤児や避難民の子供達が集うシルバーファング部隊の絶対理念は強さだ。
国際色豊かな部隊。その存在を毛嫌いする輩も多数いる。
スパイや工作員扱いしてくる憲兵団。後ろ指をさされる苦痛。見た目だけで判断される性格と常識。
秋葉は自己弁護する気は更々ないけれど、彼らが訓練とは云え、歴代最高点を叩き出して浮かれていたのも理解できた。
今まで抑えつけられていた鬱憤が爆発し、良い具合に燃焼を始めたのだ。
“でも、その傲りのせいで……”
数は激減。約十分の一。
小隊規模ですらない。
「まぁ、貴様がどうこう口汚く罵ろうが更々何とも思わないな。悪いが、アタシは貴様のような子供に興味は無いのでね」
「……んだと、この――!」
「馬鹿、止せ!」
アーリャに殴り掛かろうとするクレイスを黒髪の日本人が羽交い締めした。
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