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話を戻して簡単に説明すると、桜華学園にスポーツ(バスケ)の特待生として入学した悠太が、入学初日に、
『由樹と一緒にいないと、バスケに集中できない』
と、電話をしてきたから。
ならなぜ、一緒の学校に行かなかったのかというと、その原因は悠太の姉の裕璃(ゆり)ちゃんにある。
本当は、僕たちは元々同じ学校に通おうと決めていた。家から徒歩5分の公立の高校に。
そこが金銭的にも距離的にも、悠太の両親に迷惑がかからないと思って2人で決めたんだけど…。
なんと裕璃ちゃんは、いつのまにか勝手に悠太の進路先を桜華学園に変えてしまった。
それについて悠太が裕璃ちゃんを問い詰めると、裕璃ちゃんは笑顔でこう言った。
『そんなの王道を見てきてほしいからに決まってるじゃん。幸い悠太はバスケ上手いからスポーツの特待生枠で入学できるでしょ?あ、由樹ちゃんは一緒に行けないからね?だって由樹ちゃんは可愛いでしょ。ホモばっかの王道学園なんかに入学しちゃったら、すぐ食べられちゃうじゃない。だから、一人でいってらっしゃい。爽やかイケメンの悠太くん』
僕にはあまり意味がわからなかったんだけど、悠太は分かったらしい。僕の方をちらっと見てから、渋々頷いていた。
そういう経緯があって入学式の前日、寮の準備があるらしく一日早く桜華学園の寮に悠太は、入寮した。
そしてその翌日、さっきの電話がかかってきた。
裕璃ちゃんはすごく悩んでいたけど、やっぱり王道が見たいからというよく分からない理由で、僕に桜華学園に転校してあげて、と頭を下げた。
僕も、悠太がバスケで活躍してるとこをみたかったから、本当に役に立つか分からなかったけど、転校することに決めた。
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