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それからはあっという間で、とうとう今日、転校初日を迎えてしまった。
1週間前はあまり不安だとは思わなかったけど、やっぱり日にちがだんだん近づいてくるとマイナス思考は募っていくもので、今の僕は結構不安だらけだったりする。
もう一度深くため息を吐いた時、外から僕の部屋をノックする音と、裕璃ちゃんの声が聞こえた。
「由樹ちゃん、ちょっと入っていい?」
「うん。いいよ」
僕がそう答えると、裕璃ちゃんが部屋のドアを開けた。
そして僕の顔を見て、うるさすぎるくらい大きな声で叫んだ。
「ゆ、由樹ちゃんなにその格好!?」
「…え?着方おかしい?」
多分、これであってると思ったんだけどな…。
桜華学園の制服は他の学校と大きく違うところはあまりないんだけど、1ヶ所だけ普通の学校の制服とは違うところがある。
それは、生地。僕は服に詳しくないから違いがよく分からないけど、なんか高い生地を使ってるらしい。
でもやっぱり着方はこれであってると思うけど…。
ネクタイを少し直したりして裕璃ちゃんを見ると、なぜか納得した顔をしていた。
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