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今、その王国では、悪知恵の働く一部の者が、彼女の血という力を、うまく利用し、民や官僚に巧妙な話術で、王国の今後の支配権、在り方を諭し、その実権を手に入れていました。
もちろん、重要な事や王国としての意向や決定は原則として、彼女の承諾が必要ですが、彼女に拒否権などありません。
彼女は彼らにとって、完全なる、便利な操り人形だったのです。
その聖女は、リムという名でした。
今日は王国記念日で、王国全体で大きな催しをやるのです。催しの最初にあいさつをしなければならないリムは、久しぶりに大急がしでした。
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