夏の風物詩

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ー… 心地よい朝日を浴びながら目を開くと 目の前には寝息を立てている沖田。 ただそれだけなのにとても幸せに感じられた。 あたしはまだ起きたくなくて眠っている沖田の胸に顔を埋めた。 「…んん…」 「…!!」 すると沖田が少し唸って瞼を開き、寝ぼけ眼であたしを見る。 「…里紅」 「何?」 「……触りたい…」 「…ん!?」 今沖田なんて言った!? 一気に眠気が覚めたあたし。 「…えと……え?」 「だから、触りたい…」 とろんとした目であたしに顔を近づける沖田。  寝ぼけていらっしゃる…!? 「…顔洗いに行……っん!」 沖田はあたしの言葉ごと唇を奪った。 唇の形を確かめるようなキスを繰り返されてあたしの体がどんどん甘く痺れていく…。 「…沖田…?」 あたしは火照り始めた体温を感じながら沖田の顔を見上げた。 沖田の瞳は艶っぽく揺らめきあたしを見据える。 え…酔っ払ってないよね? 朝起きて酔っ払う人とかいないよね?   視線を絡ませること数秒沖田はあたしの体を引き寄せ抱きしめながら首に唇を押し当てた。
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