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「なあ、朔弥!黙っちゃってどうしたんだ?おーい!」
俺らがいる前でお前を襲いに来たなんて言えない会長さんは矛盾しないような言い訳を探しているのかフリーズしてしまっている。
頑張って皐月を口説こうと思っていたのにぶち壊されてなんか可哀想な人だな。
高圧的な態度なのにボロが出てしまうのも残念ポイントの一つだ。
会長さんが、カッコつけようとして決まらない厨二をくすぐらせた思春期の男子中学生みたいに見えてきた。
この世の中で1番目を背けたくなる人だよな、それ。
「か…いちょ……お…れ……を…むか…え…に…き…た…。」
こいつ空気とか読めたんだ。
いつも何考えているのか分からない巨人が会長さんに助け舟を出した。
「そっ…そうだ!圭を連れ戻すために俺様が来てやったんだ!感謝しろよ!」
溺れる者は藁をも掴むとはこの事か。
結構な泥舟だけど会長さんにとってははクルーザー並だ。
「そうなのか!でもなんで圭が俺の部屋に居るって分かったんだ!?」
再び会長は固まった。
もう可哀想すぎて見ていられない。
「…け…いた…い……。じー…ぴー…えす…」
またもや巨人の助け舟。
「そっ…そうだ!圭は居なくなることが多いから携帯にGPS機能が付いているんだ!そのおかげでここに圭がいることも分かったんだ!」
「そうなのか!凄いな!」
それで納得するこいつもこいつだがな。
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