684人が本棚に入れています
本棚に追加
教室に向かうために廊下をブラブラと歩いていたら、向こうから人影が走ってきた。
「賢吾ぉぉぉ!どこにいたんだよ!?今日は教室で待っててって言ったじゃんか!!」
このうるさいのは古宮奏(ふるみや かなで)。同じクラスで新学期に俺にハイテンションで話しかけてきて、そこからよく一緒にいるようになった。こんな俺に話しかけるとか、そうとうの物好きだよな。
なかなか良い奴ではあるんだが…
「そうだ!!聞いて!!賢吾!!さっき空き教室の前通ったらさ、中でカップルがキスしてたの見えた!!マジ萌えた!!!!不良×平凡!!万歳!!」
こんな奴なのだ。
あと何度でも言おう。
ここは男子校だ。
「ごめん。携帯をなくしたから職員室へ行っていたんだ。」
「あれ、賢吾さっきのはスルー?てか、それ本当!?」
こんなこと嘘ついてどうする。
あと、そういう話には絶対に触れないからな。
「本当。それで今から教室へ行くところ。」
「じゃあ俺も一緒に行く!」
そうして、俺たちは教室へと歩きだした。
「そーいえば、明日転校生が来るって知ってたか?」
突然、奏が話題をフッてきた。
「転校生?」
「そ!!こんな時期に珍しいよな。」
待てよ。まさか今朝のあれのことか?
「しかも俺らのクラスに!」
トライアスロンを1日に3回ぐらいしたぐらいの疲れがきた。
あんなのと過ごしていかなければならないのか!?
「ハッ…まさか…王道転校生か!?ヤバいぃぃぃぃぃぃぃ//////やっぱりまずは副会長からだよな!!王道君が正門から侵入しようとしたときに…」
奏が一人で妄想の世界に浸ろうとしていたときだった。
ドン
前方に何かがあったことに気づかなかった俺はそれにぶつかってしまっていた。
「あっ…ごめんね…大丈夫?怪我はない?」
そいつが話しかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!