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「お早うございます。私は天津森学園高等部一年、生徒会副会長、藤沢嶺二です。貴方は本日からこの学園に転入なさる山本皐月さんですね?」
副会長だ。
副会長は俺の横を通りすぎ、そいつの前で立ち止まった。
「あぁ!!そうだ!!皐月って呼んでくれ!!よろしくな、嶺二!!」
おい。ふつう初対面でしかも副会長と名乗っている人物を呼び捨てするか?
「わかりました、皐月さん。どうぞ、理事長室へご案内します。」
スルースキルが半端じゃない。
というか副会長も正門から落ちてきたことに関して何も言わないのか。
「あぁ!!ありがとうな!!」
若干俺が蚊帳の外になりかけていたそのときだ。
「ところで嶺二!お前その作り笑いやめないか?無理して笑ってる感じがする…」
その場の空気が冷凍室ぐらいに冷えきった。
初対面でその人が作り笑いをしていると気づくなんて驚きだ。
そんなこと呑気に考えている場合じゃない。
なんて事言ってんだ。
相手を考えろ!!副会長だぞ!!副会長!!自己紹介してくれたじゃないか!!この学園の生徒会は何故か分からないがかなりの権力持ってんだぞ!!お前転校初日から副会長に目をつけられるようなこと言って学園生活お先真っ暗じゃないか!!
と
俺は1人心の中であたふたとしていたのだが、
「そうですか。すみません。こういう笑い方しか出来ないもので。」
副会長の返答はいたって普通だった。
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