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副会長の反応はすまし汁みたいに薄く、さっぱりしたもので、あのマリモみたいな転校生も、
「あ、あぁ…ご、ごめん、嶺二…。」
というしかなかった。
まぁ副会長が逆上してマリモをボコボコに殴り倒すとかいう展開とかにならなくて一安心だ。
そうして彼らはよく分からない雰囲気のまま理事長室のある建物へと姿を消していった。
朝からめんどくさいものを見てしまったな…。
時計を見ると俺が校舎に着く予定だった時間を大幅に過ぎており、あいつらを少しだけ心の中で恨みながら校舎へと駆けていった。
──────────────
「あー、疲れた。」
校舎まで自分の限界のスピードを出して走った俺は、誰もいない教室で疲れを露にした。
そうだ。いろいろあって忘れていたが、携帯を取りにきていたんだ。
本来の目的を思いだし、俺は自分の机の中に手を入れて携帯を探し求めた。
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
ゴソゴソ…ゴソゴソ…
ん…?俺の机こんなに広くないよな…?間違って四次元ポケットに手を突っ込んでるのか?
あれ…?ない!!
いくら探しても出てこない。
間違いない。俺は昨日机の中に置きっぱなしにしてしまっていたはずだ。
ということは…
誰かに取られてしまった可能性が大だ。
なんて日だ……
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