なんだこの友達…

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放課後。 俺はクラブ活動などには所属していないので何もすることなく寮に帰ろうとした。 「ん…ちょっと……んっ…はぁ……!」 寮に帰るまでの道の途中、どこからか濡れ場のような声が聞こえた。 何度でも言う。 ここは男子校だ。 おそらくその声は今いる道の横にある森みたいな所の中から聞こえている。 濡れ場なんぞ見たくない。 奏がいたら大喜びで声の方向へ行くんだろうなと思いつつ、俺はダッシュで逃げた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お!賢吾おかえり!」 寮に着くと皐月が先に帰っていた。 それにしても声がでかい。 「そういや賢吾!帰ってくる途中で変な声聞こえなかったか??寮に行く道の途中の森らへんで!!」 「ああ」 ばっちり聞こえてしまったな。 この世で1番聞きたくなかったやつね。 「あの声、なんなんだろうな…!お化けとかかな!?」 お化けならまだ可愛げがあるわ。 事実はそれよりももっと怖いもんだよ。 「お前、それ冗談で言ってんのか?」 あれがお化けだったら化けてまでナニしてんだって話だよ。 「そうだよな!やっぱりお化けなんていないよな!あれは俺の聞き間違いだったんだな!!」 なんでそうなる。 頭ん中お花畑か。 「てか、お前それいつ聞いたんだ?」 「賢吾が帰ってくる1時間くらいには寮についてたから1時間半くらい前かな!」 待てよ。 ということは、あの濡れ場は1時間以上は続いているということか…? あんな茂みの中で…? おかしすぎるだろ…!?
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