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「帰るぞ修司。」
先輩の秀さんがこえをかけてくる。
秀さんは、メチャクチャかっこいい!なんて言われるような男ではなかったけど、なんとなく女が騙される危険な香り
のする男やったな。
背が高く、精悍な顔立ちで、まさにホストといった出で立ちやった。
「秀さん。マネージャーが呼んでましたけど・・・」
「それどころとちゃうんや!実はな・・・こないだ飛んだ麗華の携帯から電話があったんや!」
と、あせった声で秀がいうた。
俺は、
「とうとう麗華も今までの未収分払う算段ができたんですかね?」
と、わざと見当はずれな返しをしてみる。
すると秀さんは、やれやれという仕草を見せつつこう言った。
「修司よ、それがな、あいつの携帯から男が電話かけてきたんや。
麗華につきまとうんはやめろってな。
なめられたもんやで。
よその店のもんなんか、ヤクザなんか・・・ようわからんけど舐められたまま引き下がれんやろ?」
「ほんまですね
。麗華もそいつもキッチリかたに嵌めたらんとあきませんねぇ。
いきましょか。」
とは言うたものの、当然、そいつらどこに居てるんかなんかさっぱりわからん。
「しゃあないな。出るかどうかわからんけど、電話してみるか。」
いきあたりばったりな追い込みやなーってちょっと笑えたわ。
電話つながらんかったら秀さん、何言いだすかわからんけど、でーへんやろな普通・・・
と思っていると、秀さんがなんか騒いどる。
「おい!どこのもんやねん!正直に言わんかい!・・・おい!もっぺんいうてみいコラ!
どこにおんねん!?・・・はっきり言わんかい!・・・」
ああ、出たんですね。
電話。
しかし大苦戦って感じやな。
このままやったら、ただ怒鳴りあうだけで終わってしまいそうや。
「おい修司!疲れてきた!かわってくれ・・・」
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