10人が本棚に入れています
本棚に追加
仕事終わりやし、かなり飲んでるからね・・・
まあしゃあないか。
「わかりました。」
と電話を受け取る。
そして、俺は「もしもし」とスタンダードに切り出す。
「なんじゃおまえは!ええ加減にせえよおまえら!」
と向こうは相当、興奮気味やった。
俺はそのテンションには応じず
「君はどこのものなんだい?」
と軽くおちょくった感じで切り返す。
すると相手は、
「われ!おちょくっとんのかい!」
とオーソドックスな粋がりパターンできやがった。
ああ、なんとボキャブラリーに欠けるチンピラ野郎なんやー。
「あなた口悪いですね。」
と至って普通に言うたった。
それでも相手はただ怒鳴るだけで話にならない。
俺はごくごく冷静に、
「困りましたね・・・とりあえずどこに居てるか教えてください。」
「そこはどこですか?」
「そこどこ?」
「どこなん?」
と声のトーンを少しずつ下げて言葉も短くしていく。
するとだんだん相手の声に勢いがなくなって来たように感じた。
今までにない切り返しに戸惑ってるんやろか?
でもそろそろ俺、めんどくさなってきたんやけどなー。
しゃあないから、電話の相手に聞こえる声で「秀さん!こいつの居場所わかりましたよ!周りの音、聞き覚えあり
ますわ!」
といってやった。
もちろんわかるわけないけどね。
もうええやろ?軽くハッタリかまして終わりにしましょうよーって感じやったね。
最初のコメントを投稿しよう!