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あれから10分ほどたったであろう。
声も出せないほど、直は怯えているように見えた。
奴らが一歩前に踏み出すと同時に、彼は無言で一歩引き下がる。
それが何度も繰り返されていた。
その調子だ、俺は小さく深呼吸をした。
これが成功すれば、復讐は完成する。
少々過激で危険なやり方ではあるが、仕方が無い。
直と奴らのやり取りがしばらく続いたその時だった。
突然、宙に浮いた彼の体は深く沈み込み、消滅した。
そして次の瞬間、ドーンという、大きな波の音が、空に響き渡った。
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