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ところ変わって今度は西の海洋国家ブリタニア連邦。さらにそこの要衝ジブラルタル要塞。さらにさらにそこの防空隊基地。・・・あら?さっきの娘と似たロケーション。
「こちらは艦を出したというのに、空軍はウィッチを出さないとは何事ですか!」
だが様子は先程とは違うようだ。一人の海軍少将が、空軍中将の階級章を付けた男ににじり寄っている。
「ウィッチの部隊である統合戦闘飛行隊。その護衛部隊として、扶桑が我が国に防空駆逐艦の参加を要請してきたのです。」
「そ、そうらしいな。だがそれは海軍での話であって、空軍には・・・。」
「ダメです!」
少将の剣幕に中将は完全に押されている。この時期のブリタニアでは、空母艦載航空隊の指揮権は空軍にあった。そのため、航空ウィッチは海軍の空母に配備されていても、人事異動の決定は空軍の管轄だった。
「ウィッチも送り込むべきです。パシフィス島やインドネシアから産出する、石油や鉄鉱石はエジプトを失った我々には必要不可欠です。その護衛にウィッチや艦を送れば以降の・・・。」
「そこまでだ!」
突然の乱入者に少将は呆け顔になる。声の正体はブリタニア空軍大将であった。
「これはこれは閣下、ご視察はもうよろしいので?」
「ああ、先程終わった。・・・話は聞いた。中将、少将の言うことはもっともだ。ウィッチの一人ぐらい送り込んでも構わない。」
「はあ、わかりました。ですが、誰を送れば?ここにいる艦載ウィッチは誰もが優秀で・・・。」
中将の言葉に大将は不適な笑みを浮かべた。
「何も艦載ウィッチを送らなくてもよい。あのガリアの娘でも送ればいい。」
「し、しかし、彼女は空母への着艦など。」
大将の提案に少将は疑問を口にする。確かに空母への着艦ができないウィッチを送り込んでも、今回の部隊は空母での活動がメインだ。これでは役立たずになってしまう。
「役立たずを送り込めば、扶桑の連中も諦めるだろう?」
「それでは我が国の威信が!」
「人材が無いと言い張ればいい。それにこちらはウィッチを提供した。・・・扶桑は資源を提供するはずだ。」
大将は不適な笑みを強める。その様子に部下二人は、ただ見つめることしかできなかった。
「・・・フン、シャルロット・エリーズ・ルキエ准尉を呼べ。」
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