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~追加標的~
「あんたの言うとおりにしたで?」
「すみません。何から何まで」
月が空の中央に存在したとき
ひっそりとした住宅地の裏道で男は誰かと電話していた
「全く、勝手もいいどころや。こっちの身にもなれ」
「すみません」
「それで?」
「はい?」
「それで?そっちはどうするんや?」
「ま、連絡手段もないですからねー。ま、なるようになるんじゃないですか?」
「さっき確認したんやけど、やっぱりそうやぞ?良いんか?」
「そうですか。それもまた運命なのでょう。こちらも動きます」
「全く、ほかの奴らは大丈夫なんやろな?」
「逢うべくして逢わざる得ないでしょう。それに先導者はつけてますから」
「俺はお前が怖いよ」
「あはは。そんなことないですよ?じゃあ、切りますね?」
「最後に。絶対帰ってくるんやぞ?ここに。みんなのとこに。みんなを泣かせたら承知せーへんからな」
「分かりました。また連絡します」
プープープーと機械音が聞こえてくる
全くあれで年下とは全然思えない
男は空を仰いだ
真っ暗で一寸先も分からない道の中で必死にもがき苦しむように
to be continue … …
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