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しかし、周りがそれを認める訳が無かった。 「絶対にユキはガチホモだって!!」 「黙れ」 目障りに喚く腐女子たち。こいつらこそ、今の俺の最大なる敵だ。 俺の一蹴にも関わらず、腐女子のうちの一人――同じ神ヶ原高校文芸部に所属する、さらに同じクラスの桜峰菜奈が悪態をつく。 「……いい加減認めたらどうですかね」 「何で俺が悪いみたいになってんだよ!!」 「そうそう!」 隣で頷くのは、桜峰以上に質の悪い腐女子、同じく文芸部に籍を置く関谷楓。見た目は地味な感じの奴だが、中身がもう残念どころじゃない。以前は同じクラスの男子でカップリング組ませたとか言ってたな。 「さくらの言う通りだよ。『俺、国枝雪仁(ユキヒト)はホモです』って公言するみたいな行動してさあ」それでもまだ否定って……ねえ?と、関谷は桜峰に視線を送る。桜峰がニヤニヤしながら頷く。 腐女子の悪いところ。 仲間意識が高い。
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