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     気を取り直して、もう一度。 「大変申し訳ないけれど、わたし、どう考えても貴方のこと知らないし。 だから、その、今日のところは、お引取り願いたいの」 そうすると、この男は目をパチクリとさせて。 「うん。わかった。じゃ、またね」とニコリと笑って服を着て帰っていった。 その後ろ姿を呆然と見送るわたし。 「…………」 一体、何だったの? もしかして、変な夢でも見てるのかな? 取り合えず、しっかり戸締りをして、もう一回寝よう。 誰も居ないことを確認して、ベッドの中に潜り込む。
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