8.

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         「涼の、バカっ」 「ごめん、ごめん。機嫌直して?」 「『ごめん』は一回でいいの!」 軽く涼を睨んで、プイッとソッポを向くと 涼は「怜奈ちゃん、ごめんね?」と言って、わたしの手を握り直した。 「早く怜奈ちゃんの家に帰ろう」 優しくて温かい涼の手に再び包まれる。 その温度が心地良くて。 わたしは黙って涼に着いて歩いていく。 帰る場所は同じ。それが、どうしようもなく嬉しくて。 歩幅を合わせて歩いてくれる涼に寄り添うように。 わたしは繋いだ手にギュッと力を込めた。
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