8.

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   いつか晴れた日に、お弁当を作ってどこか出掛けよう。 あの頃のように、お日様の下で無邪気に走り回るの。 これからは、ずっと二人で。 「もしも、わたしが涼を好きになってなかったら、どうなってたの?」 「記憶がないままで、黒崎涼として人生を送ったんじゃないかな」 「そう……」 想像してみると、複雑な気持ちになってしまった。 「それよりさ」 「うん、なに?」 涼が黒い瞳をキラキラと輝かせて、わたしを見詰める。 その瞳と同じように真っ直ぐな愛情を注いでくれるから、涼の前では素直になれる気がするのだ。 涼が、わたしをふわりと包み込むように、その腕の中に閉じ込めた。 「約束、思い出してくれた?」 わたしは、涼を見詰め返して微笑んだ。 「覚えてるよ」 【END】
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