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「……準備、よし」
エクテニア教団の正装である黒い外套を羽織った少女は、最後に鏡の前でその容姿を整える。黒い瞳に、長い黒髪を後ろで一本に束ねている少女の名は、柊 カノン。
幼い頃、教団に助けられてから、十数年、彼女はこの場所で暮らしていた。
日本のとある都市の地下に広がる地下施設――エクテニア教団極東戦線。
地下都市、というべき広大な敷地は、団員の宿舎から鍛錬場、司令室など、《光の三色》に対抗すべく様々な施設を内包している。
その中の一角、作戦司令室に、少女は召集を受けていた。準備を終えると、きっと表情を引き締めて部屋の外へと踏み出した。
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