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(私達は、それを手に入れなければ……)
「もうすぐ、地下最深部だね」
少女の隣を駆ける黒髪の青年が言う。見れば、長く続いた階段も、終わろうとしていた。
「……はい、あの先に――」
「カノン、朔――……避けろ!」
会話をしていた二人に対し、先頭を駆けていたブロンドの青年が、声を張り上げた。二人は、反射的に、その場から飛びのく。
青年は壁に身を預け、少女は前方へ屈みこむように身を滑らせた。
その刹那――風切り音がしたかと思うと、先程まで二人が居た場所に、何かが突き刺さる。
蒼い雷電を纏った、ワイヤーのような物体……そしてその飛来先を確認しようとした瞬間。
――パァン
一発の銃声が、轟いていた。
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